乳製品と糖尿病07

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3310004/#__sec13title

LEUCINE-TORC1-STIMULATED β-CELL PROLIFERATION
ロイシン -TORC1- により刺激されるβ細胞の増殖




Degeneration of pancreatic islet β-cells is increasingly ranked as a key disease mechanism in T2D.
膵島β細胞の変性は、2型糖尿病の鍵となる疾患メカニズムとして徐々に重要な位置づけをされるようになってきている。

Pancreatic β-cell mass regulation is a matter of proliferation and apoptosis.
膵臓β細胞量の調節には、増殖とアポトーシスが関わっている。

※a matter of: ~の問題。およそ~

Over a lifetime, in T2D patients, β-cells exhibit both an increased rate of proliferation and apoptosis when compared with non-diabetic subjects[101,102].
非糖尿病患者と比較して2型糖尿病患者では、一生を通してβ細胞の増殖とアポトーシスの割合がどちらも増加を示す。



mTORC1 plays a central role in β-cell proliferation and insulin secretion[58].
mTORC1は、β細胞の増殖とインスリン分泌において中心的な役割を演じる。

Leucine activates mTORC1 independent of insulin by a process formerly designated as nutrient signaling[57,103].
ロイシンは、インスリンには依存せずにmTORC1を活性化させる。
それはかつては 「栄養シグナル」 と呼ばれていたプロセスによる。

The pancreatic β-cells express a variety of growth factor receptors like insulin receptor, IGF-1 receptor and glucose-dependent insulinotropic polypeptide (GIP) receptor, which all stimulate mTORC1, thereby promoting β-cell replication[104].
膵臓β細胞は、インスリン受容体やIGF-1受容体、グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド (GIP) 受容体のような、様々な成長因子の受容体を発現している。
それらはすべてmTORC1を刺激し、それによってβ細胞の複製を促進する。

※-tropo: 回転、作用、反応、変化。ギリシャ語の 「回転」 から

Insulin and IGFs, in concert with the nutrients leucine, glutamine and glucose, modulate protein translation through mTORC1 in β-cells[57,103].
インスリンとIGFは、栄養素のロイシン、グルタミン、グルコースと協力し、β細胞でのタンパク質の翻訳をmTORC1により制御する。

It has been shown that glucose robustly activates mTORC1 in an amino-acid-dependent manner in rodent and human islets[57].
齧歯類とヒトの膵島において、グルコースはアミノ酸に依存的な経路で、mTORC1を激しく活性化することが示されている。

The mTORC1 inhibitor rapamycin dose-dependently inhibited DNA synthesis of rat islets exposed to elevated levels of glucose[57].
ラット膵島を濃度の高いグルコースに曝露させても、mTORC1阻害剤であるラパマイシンは用量依存的に膵島のDNA合成を阻害した。

mTORC1/S6K1/4E-BP1-signaling is known to control cell size and proliferation by increasing mRNA translation and cell cycle progression[28,30,105].
mTORC1/S6K1/4E-BP1シグナル伝達は、mRNA翻訳と細胞周期の進行を増加させることにより、細胞の大きさと増殖を制御することが知られている。

※cell cycle: 細胞周期。分裂から分裂までの周期。分裂期であるM期から、G1期、S期 (DNA合成 synthesis)、G2期を経て、次のM期に至る

A decade ago, leucine had already been demonstrated to activate the translational regulators, phosphorylated heat- and acid-stable protein regulated by insulin and S6K1, in an insulin-independent and rapamycin-sensitive manner through mTORC1[106].
10年前、ロイシンは既に翻訳の調節因子を活性化することが明らかにされていた。
その調節因子は「インスリンとS6K1により調節される、熱および酸に安定性のリン酸化されたタンパク質 (PHAS-I)」である。
インスリンには依存せず、ラパマイシンに感受性がある、mTORC1による経路であった。

※phosphorylated heat- and acid-stable protein regulated by insulin (PHAS-I): 4E-BP1のこと。106の論文では結論として 「ロイシンは生理的濃度でmTOR経由でS6K1を刺激し、それは部分的にはミトコンドリアの燃料およびGDHのアロステリック活性化因子として役立つことによる」 「ロイシンによるmTORを通じた翻訳の活性化は、成長関連タンパク質の合成 synthesis およびβ細胞の量の維持に関連する増殖 proliferation を刺激して、β細胞の機能亢進に貢献する」 としている






mTORC1 is not only a central regulator of protein biosynthesis but also of lipid biosynthesis by regulation of SREBP1, the key transcription factor of lipid synthesizing enzymes[105].
mTORC1はタンパク質の生合成を調節する中心的な因子であるだけでなく、脂質の生合成を調節する中心因子でもある。
それはmTORC1が脂質合成酵素の重要な転写因子、SREBP1を調節することによる。

mTORC1 regulates lipin 1 localization in the nucleus and thereby controls the SREBP pathway[87].
mTORC1はlipin 1の核内での局在化を調節し、それによりSREBP経路を制御する。



Leucine-induced insulin secretion by β-cells involves increased mitochondrial metabolism by oxidative decarboxylation and allosteric activation of GDH.
酸化的脱炭酸反応およびGDHアロステリック活性化により、ミトコンドリアの代謝は増大する。
ロイシンがβ細胞に引き起こすインスリン分泌は、そのようなロイシンによる代謝の上昇が伴っている。

※oxidative decarboxylation: 酸化的脱炭酸反応。ミトコンドリアは三つの炭素から成るピルビン酸を取込み、酸化して (電子を取り出して) 二酸化酸素へ分解 (脱炭酸) する

The same intra-mitochondrial events that generate signals for leucine-induced insulin exocytosis are required to activate the mTORC1 mitogenic signaling pathway by β-cells.
ミトコンドリア内部のイベントはロイシンによるインスリン分泌のためのシグナルを生み出すが、それは同じくβ細胞の分裂を促進するmTORC1シグナル経路を活性化するためにも必要である。

※mitogenic: 分裂促進的。mitosis 「有糸分裂」。ギリシャ語の「糸」より

These findings indicate that leucine at physiological concentrations stimulates S6K1 phosphorylation via mTORC1, in part, by serving both as a mitochondrial fuel and as an allosteric activator of GDH.
これらの知見が示すのは、ロイシンは生理的濃度でmTORC1経由のS6K1リン酸化を刺激するということである。
それは部分的には、ロイシンがミトコンドリアの燃料として役立ち、そしてGDHのアロステリック活性化に役立つことによる。

It has been concluded that leucine is essential for activation of protein translation through mTORC1 and contributes to enhanced β-cell function by stimulating growth-related protein synthesis and β-cell proliferation[106,107].
その結論として、ロイシンはタンパク質の翻訳をmTORC1を通じて活性化するために必要であるとされてきた。
ロイシンはβ細胞の機能の促進と増殖の促進にも貢献するが、それは成長関連タンパク質の合成を刺激することによる。

These observations fit very well to recent findings showing that mTORC1 activation in β-cells of TSC2 deficient mice (βTSC2-/-) increased mitochondrial biogenesis and enhanced insulin secretion[108].
これらの観察は、次のような最近の知見と非常に合致する。
TSC2を欠損したマウスのβ細胞 (βTSC2-/-) において活性化したmTORC1は、ミトコンドリアの生合成を増加させ、インスリン分泌を促進した。

In contrast, S6K1-deficient mice display hypoinsulinemia, glucose intolerance and diminished β-cell size[109].
対照的に、S6K1を欠損したマウスは低インスリン血症とグルコース不耐性を示し、β細胞の大きさは縮小した。

Thus, there is substantial evidence for the crucial role of leucine in mTORC1-mediated activation of β-cell protein translation, insulin synthesis and secretion and β-cell proliferation[58,103,106,107].
したがって、mTORC1によるβ細胞のタンパク質翻訳の活性化およびインスリン合成・分泌、さらにβ細胞の増殖において、ロイシンが重要な役割を果たしているという十分なエビデンスが存在するのである。
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by travelair4000ext | 2013-05-01 10:34 | 翻訳  

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