にきびが必ず治る薬15

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3219165/#__sec15title

Does Isotretinoin Inhibit AR-Mediated Suppression of Wnt/β-Catenin Signaling?
イソトレチノインは、ARによるWnt/β-カテニンシグナルの抑制を阻害するか?




Wingless proteins (Wnts) are secreted lipid-modified proteins that bind to a receptor complex comprising frizzled and the low-density lipoprotein receptor-related proteins 5 or 6 (LRP5 or LRP6).122
ウイングレスタンパク質 (Wnt) は「脂質で修飾されたタンパク質」として分泌され、フリズルド (frizzled) 受容体、および低密度リポタンパク質 (LDL) 受容体関連タンパク質5または6 (LRP5/6) を含む受容体複合体に結合する。

※Wnt: ウイント。増殖因子をコードする遺伝子ファミリーで、癌細胞の増殖にも関与する


※receptor complex: WntはLRPとFZDに同時に結合する

Activation of this receptor complex by Wnts leads to inactivation of glycogen synthase kinase 3β (GSK-3β), which prevents the proteosomal degradation of the transcriptional coactivator β-catenin and, thereby, promotes its accumulation in the cytoplasm.
この受容体複合体がWntによって活性化されると、グリコーゲン合成酵素キナーゼ (GSK-3β) の不活性化につながる。
この不活性化は転写共活性化因子であるβ-カテニンのプロテオソームによる分解を阻害し、それによってβ-カテニンの細胞質内での蓄積が促進される。

β-Catenin translocates into the nucleus where it associates with the T-cell factor (Tcf)/lymphoid-enhancer binding factor (Lef) family of transcription factors and regulates the expression of Wnt target genes.122
β-カテニンは核内へ移動し、そこでT細胞因子 (Tcf) / リンパ系エンハンサー結合因子 (Lef) 転写因子ファミリーと結合して、Wnt標的遺伝子の発現を調節する。






There is recent evidence for a cross-regulation of signaling pathways of nuclear hormone receptors with the canonical Wnt pathway.123
最近のエビデンスでは、核内ホルモン受容体のシグナル経路と古典的Wnt経路は互いに調節し合っているとされる。

※cross-regulation: 123参照。
Figure 1

WntとNHR (Nuclear Hormone Receptor) の幹細胞分化におけるクロストーク
(A)
間葉系細胞の分化はPPARγとWntによって調節される。
糖質コルチコイドはDKKとsFRP (細胞外) とAxin (細胞内) の発現を上昇させ、Wntの発現自体を抑制することでWntシグナルを阻害する。PPARγも特定の条件下でβ-カテニンの分解を誘導してWntシグナルを阻害する。
VDRはWnt抑制のDKKとsFRPを阻害することで分化を調節し、骨芽細胞への分化を促進する。Wnt自体も、PPARγに結合するサイクリンD1とc-mycの発現によりPPARγ活性を抑制することで骨生成を促進する。β-カテニンもCOUP-TFIIの発現を促進してPPARγの転写を抑制する。
(B)
胚性幹細胞はレチノイン酸 (RA) の影響下で神経経路下へと分化する。RAはWnt経路を阻害することが知られている。RAの活性は、発達中の胚においては体軸の伸長も誘導する。このWnt阻害は、一部は、RAを介したWntアンタゴニスト (FzdとDKK) の増加によってもたらされる。
Wntはマウスの尾の発達、カエルの背の発達を引き起こす。
RAを代謝するCYP26は、Wntを介して抑制されるため、ネガティブ・フィードバックループが起きる可能性がある。
(C)
ケラチノサイト幹細胞は、皮脂細胞、毛包ケラチノサイト、毛包間表皮を含む表皮ケラチノサイトへと分化する。VDRとβ-カテニンは協同して毛包ケラチノサイトへの分化を誘導するが、β-カテニンまたはVDRを撹乱 (互いに独立して) させると、表皮ケラチノサイトと皮脂細胞を含む嚢胞の形成につながる。
Figure 2

β-カテニンとNHRのクロストーク
(A)
TCFとNHRは、β-カテニンとの結合で競合する。アゴニストの存在下で、NHRはβ-カテニンを強奪 (usurp) する。それと同時に、TCFはβ-カテニンが欠けているとプロモーターを抑制し得る。
(B)
TCFとNHRは、β-カテニン以外に共活性化因子でも競合する。活性化したNHRはp300をTCFとβ-カテニンの複合体からリクルートし、Wnt応答遺伝子を抑制してNHR調節遺伝子を活性化する。
(C)
β-カテニンはE-カドヘリンにリクルートされる。この場合、Wnt、NHR、両方の応答遺伝子が抑制される。
(D)
NHRは、TCFおよびβ-カテニンと結合する。NHRはTCFファミリーと結合して、古典的NHR共抑制因子のNCoR/SMRTをリクルートおよび古典的TCF共抑制因子のTLEなどをリクルートして、遺伝子を抑制する。
β-カテニンはこれらの共抑制因子の複合体と一緒かどうかはよくわかっておらず、これらにβ-カテニンが結合していた場合の結果は不明である。




The best characterized interaction between nuclear hormone receptors and the canonical Wnt pathway stems from the discovery that RAR binds directly to β-catenin in breast cancer cells.124
核内ホルモン受容体と古典的Wnt経路との間の最も特徴的な相互作用は、乳癌細胞においてRARがβ-カテニンに直接結合するという発見に由来する。

ATRA decreased the activity of the β-catenin-Lef/Tcf signaling pathway.
ATRAは、β-カテニンからLef/Tcfへのシグナル経路の活性を低下させた。

β-catenin interacted directly with the RAR in a retinoid-dependent manner, but not with RXR and RAR competed with Tcf for β-catenin binding.124
β-カテニンは直接、レチノイド依存的にRARと相互作用したが、RXRとは相互作用しなかった。
RARは、β-カテニンとの結合でTcfと競合した。

Similar interactions have been discovered for vitamin D receptor (VDR), PPARγ, RXR, LXRα and β, estrogen receptor (ER) and AR.123
同様の相互作用は、ビタミンD受容体 (VDR)、PPARγ、RXR、LXRαおよびLXRβ、エストロゲン受容体 (ER) 、そしてアンドロゲン受容体 (AR) に対しても発見されている。






AR and β-catenin interact by direct binding and complexing, AR/β-catenin interactions are ligand sensitive, whereby complexing occurs in the presence of dihydrotestosterone (DHT).125
ARとβ-カテニンは直接結合し、複合体を形成することによって相互作用する。
AR/β-カテニンの相互作用はリガンド感受性であり、そしてそれにより、AR/β-カテニン複合体はジヒドロテストステロン (DHT) の存在によって生じる。

※occur in the presence: ~の存在により生じる

※in the presence of DHT: 125参照。
Figure 3

(B)
β-カテニンの細胞内配分は、核内ホルモン受容体のリガンド依存的な活性化、つまり受容体のリガンドによって影響を受ける (ビタミンD受容体-活性化ビタミンD、レチノイン酸受容体α-トランス・シスレチノイン酸、アンドロゲン受容体-DHT、甲状腺ホルモン受容体-T3、糖質コルチコイド受容体-デキサメタゾン、PPARγ-チアゾリジン)。
AR/β-カテニン複合体とその核への移行は、リガンドであるDHTの存在によって促進される。リガンドが存在しなければβ-カテニンはTcfに結合する。




Intriguingly, AR has an inhibitory effect on Tcf/Lef-mediated transcription and can compete with Tcf/Lef molecules for β-catenin binding.126-128
興味深いことに、ARはTcf/Lefを介した転写に対して阻害的に影響し、β-カテニンをTcf/Lef分子と競合し得る。

Repression of the β-catenin/Tcf signaling is mediated by ligand-occupied AR that is in competition with Tcf for nuclear β-catenin.128
β-カテニン/Tcfシグナルの抑制はリガンドの結合したARによって介在され、ARは核内のβ-カテニンをTcfと競合する。

As outlined above, inhibition of Wnt/β-catenin/Tcf/Lef-signaling is a requirement for sebocyte differentiation.
以前に概要を述べたが、Wnt/β-カテニン/Tcf/Lefシグナルの阻害は、皮脂細胞が分化するための必要条件である。

The reciprocal relationship between AR and β-catenin on Tcf/Lef-mediated transcription allows the conclusion that a decrease in liganded AR would increase β-catenin-mediated Tcf/Lef-signaling, thus inhibiting sebocyte differentiation.
Tcf/Lefを介した転写に対して、ARとβ-カテニンは相互的な関係にあり、そこから次のような結論を出せる。
リガンドが結合したARの減少は、β-カテニンを介したTcf/Lefシグナルを増加させ、そうして皮脂細胞の分化を阻害するのである。



Remarkably, a significant reduction in AR protein expression in skin of acne patients has been observed during oral isotretinoin treatment.37
注目すべきことに、経口イソトレチノインの治療中、にきび患者の肌ではARタンパク質の発現が著しく減少することが観察されている。

However, the time course of reduced AR expression in skin after a usual 3 to 4 month lasting isotretinoin treatment is not known.
しかし、通常の3ヶ月から4ヶ月継続するイソトレチノイン治療後に、肌で減少したAR発現がどのような経過をたどるかは知られていない。

Moreover, the role of AR and FoxOs in sebocyte stem cell homeostasis has not been studied but may contribute to a prolonged downregulation of Wnt signaling in sebaceous stem cells.
さらに、皮脂細胞幹細胞のホメオスタシスにおけるARとFoxOの役割は研究されていないが、それらはおそらく、皮脂細胞幹細胞においてWntシグナルの抑制を長引かせることに寄与している。

It is conceivable that an impairment of sebaceous stem cells would contribute to insufficient epidermal regeneration after epithelial injury.
皮脂細胞幹細胞の機能不全は、上皮が傷ついたあとの表皮の再生が不十分になる原因であると考えられる。

The clinical observation of impaired wound healing after systemic isotretinoin treatment might find here a plausible explanation.
全身のイソトレチノイン治療後に傷が正常に回復しないという臨床的な観察は、これがもっともらしい説明になりそうである。



Thus, further studies with cultured sebocytes, human sebaceous glands and stem cells should address the possible FoxO1/AR and AR/β-catenin interaction in the presence or absence of isotretinion.
このように、培養皮脂細胞、ヒト皮脂腺、そして皮脂腺の幹細胞についての研究は、イソトレチノインが存在する/存在しない時のFoxO1/ARおよびAR/β-カテニンの相互作用の可能性について、さらに注意を向けるべきである。
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by travelair4000ext | 2013-07-10 18:19 | 翻訳  

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