にきびが必ず治る薬23

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3219165/#__sec23title

FoxO1 and Isotretinoin-Mediated Suppression of Oxidative Stress
FoxO1およびイソトレチノインによる酸化ストレスの抑制




Isotretinoin treatment in acne and rosacea has beneficial effects due to its ability to suppress the formation of reactive oxygen species (ROS).
にきびと酒さをイソトレチノインで治療すると、その活性酸素種 (ROS) の形成を抑制する能力によって有益な効果がもたらされる。

※rosacea: 酒さ。頬や鼻が持続的な毛細血管拡張と皮脂腺の炎症で赤くなり、丘疹 (隆起した発疹)、膿疱 (化膿した水疱)、紅斑などが混じる。意味はラテン語で「ばら色の (にきび)」

The ability of neutrophils to produce ROS was significantly increased in patients with inflammatory acne.164
好中球のROSを生成する能力は、炎症性にきびの患者で著しく増加していた。

The involvement of ROS generated by neutrophils appears to play an important role in the disruption of the integrity of the follicular epithelium promoting inflammatory processes of acne.
毛包上皮の完全性が破綻する際、好中球が生成するROSの関与は重要な役割を演じているようであり、それらはにきびの炎症性の過程を促進する。

Patients with inflammatory acne showed a significantly increased level of hydrogen peroxide produced by neutrophils compared to patients with comedonal acne and healthy controls.165
吹き出物にきび患者および健康なコントロール群と比較して、炎症性にきび患者は、好中球によって産生される過酸化水素の濃度の著しい増加を示した。

In acne patients, lower levels of superoxide dismutase (SOD) and catalase have been measured in polymorphonuclear neutrophils (PMN) in comparison to controls, which may be responsible for the increased levels of superoxide anion radicals in the epidermis.166-168
コントロール群と比較して、にきび患者では、多形核白血球 (PMN) 内のスーパーオキシドジスムターゼ (SOD) およびカタラーゼの濃度が低く、これは表皮でスーパーオキシドアニオンラジカルの濃度が増加する原因かもしれない。

※superoxide dismutase: 超酸化物不均化酵素。超酸化物=スーパーオキシド (O2-) を、酸素 (O2) と過酸化水素 (H2O2) に不均化 (dismutaion) する酵素。ヒトの細胞質には銅亜鉛型SODが、ミトコンドリアにはマンガン型SODが局在する。銅亜鉛型SODはALS (筋萎縮性側索硬化症) の約3割で遺伝子に変異が見られ、活性酸素の関与が疑われている

※dismutaion: 不均化。1種類の物質の2分子以上が反応して、2種類以上の物質を生じること

※anion: 陰イオン。anode (アノード)、つまり陽極方向へ移動する ion (イオン) という意味。

※radical: フリーラジカル。不対電子 (unpaired electron) を持つ原子または分子。不対電子は、スピンを打ち消す相手を持たない電子。不対電子をもつ原子や分子の多くは、他の原子などから電子を奪う性質がある

The effect of isotretinoin on the generation of ROS by stimulated human neutrophils showed that isotretinoin exerted an antioxidant activity against the superoxide anion.169
ヒト好中球によって刺激されたROS生成に対してイソトレチノインが示した効果は、イソトレチノインがスーパーオキシドアニオンに対して抗酸化活性を発揮することを表している。






One of the most important functions of FoxOs is the protection of cells from oxidative damage by increasing transcription of multiple genes regulating scavenging of ROS.14,18
FoxOの最も重要な機能の一つは酸化的ダメージからの細胞の防御であり、それはROSの捕捉を調節する複数の遺伝子の転写を増加させることによる。

Activated FoxO proteins promote stress resistance by binding to the promoters of the genes encoding manganese superoxide dismutase (MnSOD) and catalase, two scavenger enzymes that play essential roles in oxidative detoxification in mammals.11,135,170-172
活性化されたFoxOタンパク質は、マンガン型SOD (MnSOD) およびカタラーゼという二つのROS捕捉タンパク質をコードする遺伝子のプロモーターに結合することによってストレスへの抵抗性を促進し、ほ乳類における酸化ストレスの解毒で重要な役割を演じる。

FoxO-mediated oxidative-stress resistance is influenced by multiple other pathways like β-catenin which binds directly to FoxO proteins and enhances their transcriptional activity in mammalian cells.135
FoxOを介した酸化ストレスへの抵抗性は、β-カテニンのような他の複数の経路によって影響される。
ほ乳類の細胞においてβ-カテニンは直接FoxOタンパク質に結合し、その転写活性を促進する。

※β-catenin which binds directly to FoxO: 135と14参照。
135では、線虫に除草剤のパラコート (Paraquat) を曝露させることでROSを生成させている。酸化ストレスに応答して発現するSOD3がFoxO (DAF-16) 依存的であり、β-カテニン (BAR-1) が発現を促進することが示されている。


14も参照。
Figure 3.

FoxOタンパク質は酸化ストレスに応答して核へ移動する。酸化ストレスによって促進されるFoxOタンパク質の核局在は、以下の3つの理由によると思われる。
つまり、(E)JNKによるFoxOのリン酸化、(F)JNKに依存的な14-3-3タンパク質のリン酸化、もしくは (G)MST1によるFoxOタンパク質の直接のリン酸化である。

(H) また、酸化ストレスはFoxOタンパク質とβ-カテニンとの相互作用も促進するため、FoxOの活性を上昇させる。

(I) ヒストンアセチル転移酵素CBP/p300の発現は、FoxOタンパク質の転写活性を促進することが示されている。
興味深いことに、FoxO1はCBPによって3つのリジン残基がアセチル化されることが示されている。CBP/p300によるFoxOタンパク質のアセチル化は、FoxOの転写活性を抑制する。
したがって、CBP/p300が引き起こすFoxO転写活性の上昇は、染色体の全体的なヒストンアセチル化によって介在されるようである (つまりCBPはFoxOの転写活性を促進も抑制もするが、全体としてはFoxOを促進する方向にはたらく)。
この効果は、酸化ストレス状態下の脱アセチル化酵素SIRT1の活性化によって打ち消される。







Moreover, FoxO1 conrols the promoter activity of the key enzyme of cytochrome synthesis, heme oxigenase.173
さらに、FoxO1はシトクロム合成の鍵である酵素、ヘムオキシゲナーゼのプロモーター活性を制御する。

heme oxygenase (decycling) 1: ヘムオキシゲナーゼ1 (開環)。ヘムオキシゲナーゼはヘムの分解に必須の酵素であり、ヘムを開裂してビリベルジンを生成する。HO-1とも。マウスではHmox1、ヒトではHMOX1

Upregulated FoxO1 downregulates the synthesis of heme, the prosthetic group of hemoglobin and various cytochromes of the mitochondrial respiratory chain involved in ROS formation.173
発現が促進されたFoxO1は (Hmox1の発現を促進して)、ヘムの合成を抑制する方向へ調節する。
ヘムはヘモグロビンおよび様々なシトクロムの補欠分子族であり、そしてシトクロムはROS生成に関与するミトコンドリア呼吸鎖内にある。

※prosthetic group: 補欠分子族。活性を発現するために補助因子を必要とする酵素の中でも、共有結合で強固に結合している場合を補欠分子族といい、容易に解離可能なものは補酵素という。補欠分子族の具体例としては、シトクロムC中のヘムや、ピルビン酸カルボキシラーゼ中のビオチンなど。語源はギリシャ語の prosthesis (付加) = pros (の方へ) + thesis (置く、置かれたもの)

Thus, isotretinoin-induced upregulation of FoxO1 explains the suppression of mitochondrial ROS generation and increased ROS catabolism thereby normalizing increased ROS generation in acne.
このように、イソトレチノインによるFoxO1の発現促進は、ミトコンドリアによるROSの生成を抑制し、ROSの異化を増加させる。
それによって、にきびで増加したROS生成を正常化するのである。



※FoxO1 downregulates the synthesis of heme: 173のグループはこれ以前に、インスリン受容体基質-1および-2 (IRS-1/2) をエンコードする遺伝子をダブルノックアウトすることで肝臓にインスリン抵抗性を生じるマウス (DKOマウス) を作成している (Cell Metabolism. 2008)。

173 (Nature Medicine. 2009) のAbstractにはこうある。

FoxO1が標的とするいくつかの遺伝子の発現がDKOマウスの肝臓で上昇しており、その中にはヘムオキシゲナーゼ-1 (Hmox1) を含んでいた。
Hmox1は、呼吸鎖の複合体IIIおよびIVを阻害し、NAD+/NADH比を低下させ、ATP産生を抑制した。


※複合体IIIとIVはシトクロムcを還元/酸化する [呼吸鎖複合体@Wikipedia]

DKOマウスの肝臓ではPPARγ補助活性化因子-1α (PGC-1α) も発現が促進されていたが、それはアセチル化されており、(ATP産生低下の) 補償的なミトコンドリアの生合成もしくは機能の促進に失敗した。

DKOマウスの肝臓における肝臓FoxO1の消去は、Hmox1発現を正常化、NAD+/NADH比を正常化し、PGC-1αのアセチル化を減少させ、ミトコンドリアの酸化的代謝および生合成を回復させた。

このように、FoxO1はインスリンシグナルをミトコンドリアの機能へと統合する。
FoxO1を阻害することで、インスリン抵抗性とメタボリック症候群が生じている間の肝臓の代謝を改善することが可能である。


181も参照。
"HO-1 is located in liver mitochondria and modulates mitochondrial heme content and metabolism."
 
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by travelair4000ext | 2013-07-31 18:33 | 翻訳  

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