にきびが必ず治る薬29

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3219165/#__sec29title

Isotretinoin, FoxO1 and Mucocutaneous Side Effects
イソトレチノインとFoxO1、皮膚粘膜への副作用





Mucocutaneous adverse effects of oral isotretinoin treatment are dose-dependent and predominantly reflect a decreased production of sebum, reduced stratum corneum thickness, and altered skin barrier function.2,221
経口イソトレチノイン治療による皮膚粘膜の副作用は、用量依存的である。
この副作用が主に反映しているのは、皮脂の生成の減少、角質層の厚さの縮小、そして肌バリア機能の変化である。

※stratum corneum: ラテン語で「角質層」。核が消失した上皮細胞の死骸が積み重なった層。ケラチンを多く含む

Skin xerosis, especially on exposed skin and cheilitis are the earliest and the most frequent side effects that affect almost all treated patients.
皮膚乾燥症 (特に露出部) と口唇炎は最も早くからの、そして最も頻繁な副作用である。
それはほとんど全ての治療患者に見られる。

※xerosis: 乾燥症。xero- ギリシャ語で「乾燥」

※cheilitis: 口唇炎。cheilo- ギリシャ語で「唇」

Staphylococcus aureus colonization correlates with the isotretinoin-induced reduction in sebum production and may lead to overt cutaneous infections.
黄色ブドウ球菌の異常繁殖はイソトレチノインによる皮脂生成の減少と相関し、肌の顕在的な感染症につながる。

※overt: 公然の。顕在的な (潜在的でない)

Xerophthalmia due to decreased meibomian gland secretion can lead to blepharoconjunctivitis.
マイボーム腺の分泌減少による眼球乾燥症は、眼瞼結膜炎につながる可能性がある。

※xerophthalmia: 眼球乾燥症。ophthalmos ギリシャ語で「目」

※meibomian gland: マイボーム腺。眼瞼 (がんけん)、つまりまぶたの裏にあって常に脂肪を分泌している腺。上眼瞼に30から40、下眼瞼に20から30存在する

※blepharoconjunctivitis: 眼瞼結膜炎。blepharon ギリシャ語で「眼瞼」。conjunctiva ラテン語で「結膜」。眼瞼皮膚と結膜の両者に炎症を生じた状態の総称。通常、結膜炎が重症化して眼瞼に波及した形で発生することが多い

Dry genitals and anal mucosa may be a side effect and dry nasal mucosa may lead to epistaxis.2,221
生殖器の粘膜および肛門の粘膜の乾燥は副作用であるかもしれず、鼻粘膜の乾燥は鼻血につながる可能性がある。

※epistaxis: 鼻血。stag- ギリシャ語で「滴る」






Pioneering studies have focused on the antikeratinizing effect for retinoid activity which comprised dose-dependent alterations in transepidermal water loss and epidermal and stratum corneum loosening associated with loss of epidermal cohesion and abnormal barrier function.222-224
先駆的な研究は、レチノイド活性による抗角質化効果に焦点を当てている。
その中には、経皮水分損失がレチノイドの用量依存的に増大することや、表皮と角質層の崩れ (表皮結合の喪失、ならびにバリア機能の異常と関連する) が含まれている。

※transepidermal water loss (TEWL): 経皮水分損失。汗腺ではなく体表から大気中に失われる水分を指し、成人では1平方メートルあたり毎時30グラム程度。通常、表皮細胞間の脂質 (スフィンゴ脂質など) によって水の透過は抑制されている

Recently however, using large DNA microarrays it has been shown, that ATRA suppresses genes responsible for biosynthesis of epidermal lipids, long-chain fatty acids, cholesterol and sphingolipids in primary human epidermal keratinocytes.225
しかし最近、オールトランスレチノイン酸 (ATRA) がヒト初代表皮ケラチノサイトにおいて脂質の生合成に関与する遺伝子を抑制することが、大規模なDNAマイクロアレイを使って示されている。
その中には、表皮脂質、長鎖脂肪酸、コレステロール、スフィンゴ脂質が含まれる。

※primary: 初代の。primary cell culture 「初代培養細胞」。継代 (けいだい) されていない培養細胞で、生体内に近い状態であると考えられる

Unexpectedly, ATRA regulated many genes associated with the cell cycle and programmed cell death.225
「意外なことに」、ATRAは細胞周期とプログラム細胞死に関する多くの遺伝子を調節した。

※Unexpectedly: 参照先の225は2009年。Abstractにはこうある。
「予期された通り、RAは角質化のタンパク質マーカーを抑制する。しかし、上皮脂質、長鎖脂肪酸、コレステロール、そしてスフィンゴ脂質の生合成に関わる遺伝子もまた抑制される。
重要な事に、RAの合成、エステル化、そして代謝の経路はRAによって活性化される。したがってRAはそれ自身の生化学的利用能を調節する。

意外なことに、RAは細胞周期とプログラム細胞死に関する多くの遺伝子を調節する。このことから我々は、RAがケラチノサイトの増殖とアポトーシスに与える影響を新しく発見した。

RAに対する応答はとても速く、315の遺伝子が1時間後には既に調節された。RAによって調節される遺伝子の1/3以上は、シグナル伝達と転写調節において機能する。
シリコン内分析を使い、RAにより調節される遺伝子における転写因子結合箇所の中でも、過剰に示された一連の箇所を我々は決定した。
乾癬に関連する多くの遺伝子がRAによって調節される。いくつかは発現が誘導され、残りは抑制される。
これらの結果は、ケラチノサイトにおいてRAによって引き起こされる転写的な変化を包括的に実証するものであり、そして表皮においてRAによって影響を受ける分子メカニズムに対する新しい知見を加えるものである。」




The role of epidermal lipids for skin barrier function and antimicrobial defense has been well established.226,227
肌のバリア機能と抗菌防御にとって、表皮の脂質が果たす役割は十分に確かめられている。

The major part of epidermal barrier function is provided by ordered epidermal lipid synthesis and conversion of polar lipids into nonpolar ceramides and acylceramides which constitute the intercorneocyte lipid lamellae important in stratum corneum barrier function and control of transepidermal water loss.226
表皮バリア機能の主要な部分は、秩序正しい表皮の脂質合成と、極性脂質から非極性のセラミドとアシルセラミドへの変換によって提供される。
セラミドとアシルセラミドは角質細胞間の脂質の層を構成し、この脂質は角質層のバリア機能と経皮水分損失の制御において重要である。

※ceramide: セラミド。

スフィンゴシンのアミノ基にアシル基 (RCO-) が結合したもの。N-アシルスフィンゴシン

※acylceramide: アシル化セラミド。セラミド (N-アシルスフィンゴシン) に、さらにアシル基が結合したもの

※ceramide and acylceramide: セラミドを構成するアシル基には3種類 (α-hydroxy fatty acid [A], ester-linked ω-hydroxy acid [EO], nonhydroxy fatty acid [N])、
スフィンゴシンには4種類 (dihydrosphingosine [DS], 6-hydroxysphingosine [H], phytosphingosine [P], sphingosine [S])、
それぞれ存在し、その組み合わせによって12種類に分類される (CER[ADS], CER[AH], CER[AP], CER[AS], CER[EODS], CER[EOH], CER[EOP], CER[EOS], CER[NDS], CER[NH], CER[NP], CER[NS])


※corneocyte: 角質細胞。角質層の死んだ角化細胞。ケラチンで満たされている (keratinized cell)

※stratum corneum: 角質層。stratum「層」

※lamellae: 薄層。laminate「薄板を貼り合わせる」

Free fatty acids, cholesterol and ceramides in appropriate molar ratios are important for barrier function.226
適切な全体の割合での遊離脂肪酸とコレステロール、そしてセラミドは、バリア機能にとって重要である。

There is recent evidence that RAR, PPARs and LXR are also involved in the regulation of epidermal lipid synthesis and barrier function.226
RAR、そしてPPARとLXRは、表皮の脂質合成とバリア機能その両方の調節にも関与しているという最近のエビデンスがある。

Whereas activation of PPARα and LXR improve barrier function, RAR activation worsens it.226
PPARαとLXRの活性化は表皮のバリア機能を改善する一方、RARの活性化はバリア機能をより悪化させる。

Both cholesterol and fatty acid synthesis are regulated by SREBPs.228
コレステロールと脂肪酸の合成は、どちらもSREBPによって調節される。

Two SREBP genes (SREBP-1 and SREBP-2) encode three proteins: SREBP-1a, SREBP-1c and SREBP-2.229,230
二つのSREBP遺伝子 (SREBP-1とSREBP-2) は、三つのタンパク質 (SREBP-1a、SREBP-1c、SREBP-2) をコードする。

SREBPs bind to the promoters of multiple SREBP-responsive genes stimulating various enzymes of cholesterol and fatty acid synthesis.229,230
三つのSREBPは多くのSREBP応答遺伝子のプロモーターに結合し、コレステロールと脂肪酸を合成する様々な酵素の発現を刺激する。

SREBP-2 is a more important regulator of cholesterol synthesis.
SREBP-2は、コレステロール合成にとって他より重要な調節因子である。

SREBP-1a is as effective as SREBP-2 as a regulator of HMG-CoA synthase and HMG-CoA reductase in cholesterol synthesis, but it has a greater effect on fatty acid synthesis than does SREBP-2.
SREBP-1aは、SREBP-2と同じくらい効果的にHMG-CoA還元酵素の合成を調節する因子である。
しかし、脂肪酸合成に対してはSREBP-2よりも大きな影響がある。

※HMG-CoA reductase: ヒドロキシメチルグルタリル-コエンザイムA還元酵素。コレステロール生合成の律速酵素で、スタチンによって拮抗的に阻害される

SREBP-1c primarily regulates fatty acid synthesis.
SREBP-1cは主に脂肪酸合成を調節する。



Nothing is yet known about the role of FoxOs in the regulation of epidermal lipid homeostasis.
表皮の脂質ホメオスタシスの調節におけるFoxOの役割については、まだ何もわかっていない。

In muscle cells however, FoxO1 regulates triglyceride content via the RXRα/LXRα/SREBP-1c pathway and has been shown to suppress RXRα/LXRα-mediated SREBP-1c promoter activity (Fig. 2D).219
しかし筋肉細胞においては、FoxO1はRXRα/LXRα/SREBP-1c経路によってトリグリセリドの量を調節し、RXRα/LXRαによって介在されるSREBP-1cプロモーター活性を抑制することが示されている (Fig. 2D)。



In FoxO1 transgenic mice, gene expression of SREBP-1c is downregulated in skeletal muscle.
FoxO1トランスジェニックマウスでは、骨格筋におけるSREBP-1cの遺伝子発現は抑制される。

During nutritional changes caused by fasting and feeding, gene expression of RXRα and SREBP-1c in mouse skeletal muscle switches off and on, respectively, whereas expression of FoxO1 shows reverse correlation with SREBP-1c expression.219
絶食と摂食によって栄養が変化する間、マウスの骨格筋におけるRXRαとSREBP-1cの遺伝子発現は絶食でオフ、摂食でオンに切り替わる。
一方、FoxO1の発現はSREBP-1c発現とは逆の相関を示し、絶食でオン、摂食でオフに切り替わる。

Supposed that isotretinoin-mediated upregulation of FoxO1 would downregulate SREBP1c-mediated epidermal fatty acid- and cholesterol synthesis in epidermal keratinocytes, a functional disturbance of epidermal barrier function may result.
仮に、表皮ケラチノサイトにおいてイソトレチノインを介したFoxO1の発現の促進が、SREBP-1cによる表皮の脂肪酸およびコレステロール合成を抑制すると仮定すると、表皮バリア機能が阻害されるという結果になる可能性がある。

Moreover, alterations in fatty acid synthesis, potentially regulated by FoxOs and SREBPs, could indirectly affect ceramide production as the first biosynthetic step in ceramide synthesis catalyzed by serine palmitoyl transferase requires the presence of sufficient amounts of fatty acids.231-233
さらに、脂肪酸合成における変化 (潜在的にFoxOとSREBPによって調節される) は、間接的にセラミド生成に影響し得る。
なぜなら、セラミド生合成の最初の段階はセリンパルミトイル転移酵素により触媒作用を受けるが、それには十分な量の脂肪酸の存在が必要だからだ。

※serine palmitoyl transferase: セリンパルミトイル転移酵素。L-セリンとパルミトイル-CoAから3-ケトジヒドロスフィンゴシンの合成を触媒する。パルミトイル-CoAは、脂肪酸のパルミチン酸とCoA (補酵素A) から成る
.

In analogy to sebaceous and epidermal lipid biosynthesis during isotretinoin treatment, a FoxO1-mediated downregualtion of lipid synthesis of meibomian glands would explain the isotretinoin-induced blepharoconjunctivitis clinically appearing as “dry eyes.”
マイボーム腺の脂質合成がFoxO1を介して抑制的に調節されることが、イソトレチノインによって引き起こされる眼瞼結膜炎の原因である (臨床的には「ドライアイ」として現れる) が、それと似ているのがイソトレチノインによる治療中の肌の皮脂と表皮脂質の生合成の抑制である。

Indeed, histopathological studies of the eyelids of female New Zealand rabbits after long-term isotretinoin (2 mg/kg) treatment showed “degenerative changes” in the meibomian gland acini, leading to cell necrosis and a decrease in the basaloid cells lining the acini walls without inflammatory changes.234
実際、メスのニュージーランドウサギにイソトレチノインを長期投与 (1キロあたり2ミリグラム) した後のまぶたの組織病理学的な研究では、マイボーム腺房は「変性的な変化」を示した。
細胞はネクローシス (壊死) に至っており、マイボーム腺房壁の内側を覆う基底様細胞は減少していたが、炎症的な変化は見られなかった。

※acini: acinus (腺房) の複数形。外分泌腺の最奥部の、房状になっていて分泌物を合成・貯蔵する腺房細胞が集まった構造を指す

※degenerative: 変性、変質、退化

Systemic administration of isotretinoin caused a reduction of acinar tissue in the hamster meibomian gland.
イソトレチノインの全身投与は、ハムスターのマイボーム腺に腺房組織の縮小を引き起こした。

Histologic examination revealed a decrease in the numbers of mature lipid-laden acinar cells and a reduction of up to 75% in mean volume of meibomian acinar tissue from animals fed a high dose of isotretinoin.235
高用量のイソトレチノインを与えられた動物からの組織構造を調べたところ、脂質を蓄えて成熟したマイボーム腺房細胞の数は減少し、マイボーム腺房組織の平均体積が最大75パーセント縮小していたことが明らかになった。

Systemic treatment of adult male New Zealand albino rabbits with isotretinoin resulted in a reduction in the size of the meibomian gland and a decrease in acinar tissue.236
オスでアルビノのニュージーランドウサギの成体にイソトレチノインを全身投与したところ、マイボーム腺のサイズが縮小し、マイボーム腺房組織が縮小する結果になった。

The isotretinoin-induced reduction of acinar tissue and lipid content of meibomian glands in the presented animal models points again to an isotretinoin-induced apoptosis mechanism.
提示された動物モデルにおいてイソトレチノインにより引き起こされるマイボーム腺の腺房組織の縮小ならびに脂質量の減少は、改めてイソトレチノインによるアポトーシスのメカニズムを明らかにする。

This is comparable to isotretinoin's effect on sebocytes and is most likely driven by FoxO-upregulation.
これはイソトレチノインが皮脂細胞へ与える影響に似て、FoxOの発現促進によって引き起こされるのはほとんど確かなようだ。

Thus, isotretinoin-mediated stimulation of FoxO-mediated gene expression could explain the defects in the quality and composition of the conjunctival lipid film and the resultant blepharoconjunctivitis observed in 20-45% of the patients treated systemically with isotretinoin.234
眼瞼結膜炎は、イソトレチノインを全身投与された患者の20から45パーセントで見られる。
イソトレチノインによるFoxOを介した遺伝子の発現は、結膜の脂質膜の質と構成における悪化と、その結果として起きる眼瞼結膜炎の説明になるだろう。
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by travelair4000ext | 2013-08-22 10:47 | 翻訳  

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