にきびが必ず治る薬31

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3219165/#__sec31title

Isotretinoin, FoxOs and CNS Side Effects
イソトレチノインとFoxO、CNSへの副作用




Clinically observed CNS side effects of isotretinoin are rare.
臨床的に観察されるイソトレチノインのCNSへの副作用は滅多にない。

※CNS (Central Nervous System): 中枢神経系

However, isotretinoin, has been associated with various psychiatric side effects such as depression, suicidality and psychotic symptoms.
しかし、イソトレチノインは様々な精神医学的な副作用と関連している。
それはたとえばうつ病や自殺傾向、精神病的な症状などである。

A great number of reports on its CNS effects have been published since its introduction into the market.
イソトレチノインが流通されるようになって以来、そのCNSへの影響に関して非常に多くの報告が発表されてきている。

According to the FDA all patients treated with isotretinoin should be observed closely for symptoms of depression or suicidal thoughts, such as sad mood, irritability, acting on dangerous impulses, anger, loss of pleasure or interest in social or sports activities, sleeping too much or too little, changes in weight or appetite, school or work performance going down, trouble in concentrating, mood disturbances, psychosis or aggression.
FDAによれば、イソトレチノインで治療された全ての患者は、うつ病、もしくは自殺念慮の症状に似た状態が観察されるはずである。
それはたとえば、悲しい気分、刺激性、危険な衝動にかられた行動、怒り、社会的活動やスポーツへの喜びや興味の喪失、寝過ぎるか寝不足、体重や食欲の変化、学校活動や仕事の遂行の低下、集中の困難、感情の障害、精神病や攻撃性などである。

※FDA (Food and Drug Administration): アメリカ食品医薬品局

※irritability: 刺激性。刺激に対して過敏になっている状態で、怒りにつながりやすい

A causal relationship has yet not been established and the link between isotretinoin use and psychiatric events remains controversial.241
因果関係はいまだ確かめられてはおらず、イソトレチノインの使用と精神病学的な出来事との間のつながりは論争中である。

However, six weeks of isotretinoin administration (1 mg/kg) increased depression-related behavior in mice.242
しかし、6週間のイソトレチノインの投与 (1ミリグラム/キログラム) は、マウスにおいてうつ病に関連する行動を増加させた。

※depression-related behavior: 242参照。Tail Suspension Test (マウスを尾だけで吊るすテスト) では、イソトレチノインを投与したマウスは「動かない時間」が長くなった






Does isotretinoin modify FoxO regulation in the brain, a metabolically active organ strongly dependent on glucose metabolism?
脳は代謝的に活発な臓器でグルコース代謝に強く依存しているが、その脳内でのFoxOの調節をイソトレチノインは変化させるだろうか?

RARs are widely distributed in the brain.
レチノイン酸受容体 (RAR) は脳に広く分布している。

The regions of the brain that predominantly exhibit RAR signaling include the limbic system, in particular the hippocampus and the medial prefrontal cortex, the cingulate cortex and subregions of the thalamus and hypothalamus.243,244
主にRARシグナルを示す脳領域には辺縁系が含まれ、特に海馬、内側前頭前皮質、帯状皮質 (帯状回)、視床と視床下部の小領域などである。

※limbic system: 辺縁系。脳の中心付近の環状神経構造

※hippocampus: 海馬。側脳室下角内側に隆起する大脳皮質

※prefrontal cortex: 前頭前皮質 (ぜんとうぜんひしつ) 。前頭葉 (frontal lobe) の前側の領域。頭頂連合野、側頭連合野と並んで、前頭葉の連合野として前頭前野とも呼ばれる

※medial prefrontal cortex (m-PFC): 内側前頭前皮質 (ないそくぜんとうぜんひしつ)。内側 (ないそく) とは、体内で正中面 (せいちゅうめん) に近い位置を指す。
前頭前皮質の機能は、認知・実行、情動・動機付けであり、計画的に物事を実行したり、長期的判断から欲求を抑えたりするために必要である

※cingulate cortex: 帯状皮質。帯状回 (cingulate gyrus) とも呼ばれる。脳梁をアーチ状にまたぎ、脳梁の後部で海馬傍回へ移行する

※thalamus: 視床。嗅覚を除く全ての感覚情報を大脳皮質へ中継する

※hypothalamus: 視床下部。飲水、摂食、性行動、攻撃、自律神経機能に関与する



Recent studies have demonstrated that the hippocampus is one of the brain regions where new neurons are constantly born, a phenomenon called neurogenesis.
海馬は脳で新しいニューロンが常に生まれる領域の一つであることが最近の研究で証明されている。この現象は神経発生と呼ばれる。

※neurogenesis: 神経発生。神経芽細胞は分裂能を失うが、遅れて分化してくる神経膠芽細胞は成体でも分化能を維持する

One of the theories for the pathogenesis of depression suggests a decreased hippocampal and prefrontal cortex neurogenesis.245,246
うつ病の病理発生理論の一つでは、海馬と前頭前皮質での神経発生の低下が示唆される。

Moreover, antidepressant treatment seems to operate by an increase in neurogenesis, which is chronologically seen during the same period as the clinical improvement.
さらに、抗うつ剤の治療は神経発生の増加によって効くようである。
それは同じ期間中には日を追った臨床的改善として見られる。

※chronologically: 年代順に、日付順に、時間の流れに沿って、時系列順に、経時的に

Another irregularity in the hippocampus associated with depression is the reduction of the hippocampal volume.
うつ病に関する海馬でのもう一つの異常は、海馬の重量の減少である。

Intriguingly, isotretinoin treatment of mice results in both decreased hippocampal neurogenesis and a reduction in the hippocampal volume.247,248
興味深いことに、イソトレチノインをマウスに投与すると、海馬の神経発生の低下、ならびに海馬の重量の減少、その両方が起きる結果になる。



Treatment of GT1-7 hypothalamic cells with 10 μM isotretinoin for 48 h decreased cell growth to 45.6 ± 13% of control.249
GT1-7視床下部細胞を濃度10マイクロモルのイソトレチノインで48時間処理すると、細胞の成長がコントロール群と比較して45.6プラスマイナス13パーセント減少した。

※GT1-7: 不死化させたマウス視床下部の神経細胞「GT1」の系統の一つ。増殖能を持ち、GnRH (性腺刺激ホルモン放出ホルモン) を分泌する

Griffin et al. hypothesized that the ability of isotretinoin to decrease hypothalamic cell number may contribute to the increased depression-related behaviors observed in mice.249
Griffinらは、視床下部の細胞数を減少させるイソトレチノインの能力が、マウスで観察されるうつ病関連行動の増加の一因であるかもしれないという仮説を立てた。

Therefore, the isotretinoin-mediated effect on neurogenesis could provide a plausible biological mechanism mediating depressogenic effects.
したがって、神経発生に対するイソトレチノインを介した影響は、うつ病を発生させる影響を介在する合理的な生物学的メカニズムを提供する。

※plausible: もっともらしい、一見信頼できる、合理的な



Intriguingly, FoxO1 is strongly expressed in the striatum and neuronal subsets of the hippocampus, i.e., the dentate gyrus and the ventral/posterior part of the cornu ammonis regions.250
興味深いことに、FoxO1は線条体と、海馬神経の一部の集団 (すなわち歯状回、アンモン角領域の腹側/背部) で強く発現している。

※corpus striatum: 線条体。大脳基底核の一つで、被殻 (putamen) と尾状核 (caudate nucleus) からなる。皮質 (前頭葉、頭頂葉)、視床、黒質緻密部からの入力を受け、淡蒼球、黒質網様部へ出力する

※dentate gyrus (DG): 歯状回 (しじょうかい)。海馬の内縁にみられる灰白質の隆起。歯状回の顆粒細胞は苔状線維と呼ばれる軸索をCA3領域に伸ばす

※cornu ammonis (CA): アンモン角。海馬は腹側からCA1、CA2、CA3という領域に区分される

※ventral: 腹側の、前面の、下面の

※posterior: 背部の、背面の、尾部の、後端の。dorsal「背面の」



In wildtype mice, hypothalamic FoxO1 expression is reduced by the anorexigenic hormones insulin and leptin.251
野生型のマウスにおいて、視床下部のFoxO1発現は、食欲を減退させるホルモン (インスリンとレプチン) によって減少する。

Upregulation of hypocampal FoxO1 levels may inhibit hypocampal neurogenesis and may thus be responsible for the adverse psychiatric drug effects in some disposed individuals.
海馬のFoxO1濃度の上昇は海馬の神経新生を阻害し、したがって、感受性のあるいくらかの人々に精神病薬の副作用を引き起こす。

Remarkably, FoxO1 suppresses the transcription of proopiomelanocortin (POMC) by antagonizing the activity of signal transducer and activator of transcription-3 (STAT3).251,252
注目すべきことに、FoxO1はシグナル伝達転写活性化因子3 (STAT3) の活性と拮抗することにより、プロオピオメラノコルチン (POMC) の転写を抑制する。

※proopiomelanocortin (POMC): プロオピオメラノコルチン 。名前の由来は、エンドルフィン (オピオ)、メラニン細胞刺激ホルモンMSH (メラノ)、副腎皮質刺激ホルモンACTH (コルチン) の前駆体 (プロ) から。POMCのプロセシングにより様々なペプチドができる (N末端ペプチド、ACTH、β-リポトロピン、γ-リポトロピン、γ3-MSH、α-MSH、β-エンドルフィン、met-エンケファリン)

※opio: opionはギリシャ語で「アヘン」。opium 「アヘン」

※melanocyte-stimulating hormone (MSH): メラニン細胞刺激ホルモン。5種類あるメラノコルチン受容体のうち4型は視床下部や海馬に多く、摂食抑制に関与する

※signal transducer and activator of transcription-3 (STAT3): シグナル伝達転写活性化因子3

※anorexigenic: 食欲不振誘発性の。
251の要旨にはこうある。
視床下部でのFoxO1の活性化は摂食と体重を増加させ、FoxO1の阻害はどちらも減少させた。FoxO1はPI3K/Aktシグナル経路を通じて、食欲促進の神経ペプチドY (NPY) とアグーチ関連タンパク (AgRP) の転写を刺激するが、STAT3活性と拮抗することにより、食欲抑制のプロオピオメラノコルチン (POMC) の転写を抑制する。
251のFigure 1では、FoxO1によりマウスの摂食と体重が増加し、血漿レプチン濃度とインスリン濃度が上昇し、さらにエネルギー消費が低下したことが示されている

FoxO1 modulates the melanocortin system by regulating the expression of Agrp and Pomc genes.252
FoxO1はAgrpとPomc遺伝子の発現を調節することで、メラノコルチン系を調整する。

※Agrp and Pomc genes: 252のFigure 2を参照。
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※agouti-related peptide (AgRP): アグーチ関連ペプチド。AgRPは代謝を低下させながら、食欲は増進させる

One of the POMC peptide cleavage products is α-melanocyte stimulating hormone (α-MSH).
POMCペプチドの分解産物の一つは、α-メラニン細胞刺激ホルモン (α-MSH) である。

FoxO1 suppresses the expression of both Pomc and Cpe, which is one of the peptidases (carboxypeptidase E) that processes POMC to α-MSH (Fig. 7).
FoxO1は、PomcとCpeの発現をどちらも抑制する。
Cpe (カルボキシペプチダーゼE) はペプチダーゼの一つで、POMCを加工してα-MSHにする (Fig. 7)。

※carboxypeptidase E (Cpe): カルボキシペプチダーゼE。ペプチドのC末端からアミノ酸を1残基ずつ切り離すエキソペプチダーゼ



Remarkably, the proopiomelanocortin system plays an important role as a neuromediator system in controling the sebaceous gland.
注目すべきことに、プロオピオメラノコルチン系は皮脂腺の制御において、神経伝達物質システムとして重要な役割を演じる。

※neuromediator: 神経伝達物質。neurotransmitter (神経伝達物質) と neuromodulator (神経修飾物質) を含む

It is well known that α-MSH can stimulate sebocyte differentiation and sebaceous lipogenesis.253,254
α-MSHが、皮脂細胞の分化、ならびに皮脂の脂質生成を刺激することはよく知られている。

Thus, isotretinoin-mediated upregulation of hippocampal and hypothalamic FoxO1 could inhibit POMC/α-MSH-signaling to the sebaceous gland.
このように、イソトレチノインを介した海馬ならびに視床下部のFoxO1発現促進は、皮脂腺へのPOMC/α-MSHシグナル伝達を阻害する。
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by travelair4000ext | 2013-09-02 11:27 | 翻訳  

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