社会的孤立と精神病10

The high energy demand of PVIs
PVIは高いエネルギーを必要とする





The majority of PVIs are FS (86%, Pawelzik et al., 2002) and PVIs receive extremely dense excitatory innervations (Gulyás et al., 1999), suggesting that PVIs are often in a depolarized state.
PVIの大部分 (86パーセント) はFSであり、そしてPVIは極度に密集した興奮性の神経支配を受ける。
これはPVIが頻繁に脱分極の状態にあることを示唆する。

※86%: ラット海馬のCA1領域。PV陽性ニューロンの内、FSは86%。CCK陽性ニューロンはFSが26%、regular-spikingが63%、burst-firingが11% (Pawelzik et al., 2002)

※dense excitatory innervations: 興奮性/抑制性を合わせた総シナプス数は、PV陽性ニューロンには16294、カルビンディンD28kは3839、カルレチニンは2186を受けていた。
そのシナプス中、抑制性 (GABA作動性) の割合は、PV陽性ニューロンは6.4%、カルビンディンD28kは29.4%、カルレチニンは20.71% (Gulyás et al., 1999)

As a consequence of intense neuronal firing, the constant requirement for maintenance of sodium and potassium balance puts a high demand on cellular energetics.
極めて激しいニューロン発火の結果として、ナトリウムとカリウムのバランスを常に維持する必要性が生じ、細胞のエネルギーを強く要求する。

Consistent with this idea, PVIs have particularly larger numbers of mitochondria and higher cytochrome c content than other neurons (Gulyás et al., 2006).
この考え方と一致して、PVIは他のニューロンと比べてミトコンドリアの数とシトクロムcの量が特に多い。

Also, it was recently reported that gamma oscillations are also especially energy demanding and require both high level of complex I and strong functional performance of mitochondria.
さらに、ガンマ振動は特にエネルギーを必要とすることも最近報告された。
ガンマ振動は、ミトコンドリアの複合体Iの濃度、ならびにエネルギーを合成する機能的な能力の強さ、その両方を必要とする。

Kann et al. (2011) found that the amount of oxygen consumption of gamma oscillations reaches that of seizure-like events, and gamma oscillations utilize mitochondrial oxidative capacity near limit.
Kannらは、ガンマ振動による酸素消費量の合計がてんかん発作様イベント (seizure-like events) の消費量に達しており、ガンマ振動はミトコンドリアの酸化能力を限界近くまで利用することを明らかにした。

※seizure-like events: 人工的な脳脊髄液から硫酸マグネシウムを除去し、塩化カリウムの濃度を5mMまで上昇させたのち、細胞間の酸素分圧 (interstitial partial oxygen pressure; pO2) を計測した。ガンマ振動はアセチルコリンとフィゾスチグミンで誘発した (Kann et al., 2011)

※event: イベント。病気など、ある一定の出来事

Groups of studies indicated that gamma oscillations are exquisitely sensitive to mitochondrial dysfunction (Fano et al., 2007; Huchzermeyer et al., 2008; Hájos et al., 2009; Pietersen et al., 2009; Whittaker et al., 2011) under conditions with a variety of mitochondrial respiratory chain inhibitors through an effect on FS interneurons.
ガンマ振動はミトコンドリアの機能不全に対して非常に敏感であることが一連の研究で示された。
それらの研究ではミトコンドリアの呼吸鎖を阻害する様々な薬剤を使用し、FS介在ニューロンに対して作用することでガンマ振動に影響した。

※mitochondrial respiratory chain inhibitors: ミトコンドリア呼吸鎖阻害剤。複合体IV内のシトクロムcオキシダーゼを阻害するシアン化カリウム (青酸カリ) は、ガンマ振動の強度 (μV^2) を72.1パーセント抑制した (Whittaker et al., 2011)。他にも、複合体Iを阻害するロテノンや、プロトンを透過させて電気化学的ポテンシャルを失わせるFCCP (カルボニルシアニドp-トリフルオロメトキシフェニルヒドラゾン) などがある

Interestingly, Kann et al. (2011) found that gamma oscillation power, oxygen consumption and complex I subunits are particularly higher in hippocampal subfield CA3.
興味深いことに、ガンマ振動の強さと酸素の消費量、そして複合体Iのサブユニット発現は、海馬の一部であるCA3領域で特に高いことをKannらは発見している。

Kim Q. Do and her colleagues observed a selective increase of oxidative stress and a decrease of PV-IR interneurons in ventral CA3/DG in GCLM KO mice with a deficit of antioxidant capacity in the brain (Steullet et al., 2010).
Kim Q. Doと彼女の同僚たちは、GCLMをノックアウトして脳内の抗酸化能力が低下したマウスの腹側海馬CA3領域/歯状回では、酸化ストレスが選択的に増加し、PVに免疫反応する介在ニューロンが減少したことを観察した (背側海馬では減少しなかった)。

※ventral/dorsal: マウスの腹側/背側

This may be related to particularly high energy demanding in these areas.
このことは、これらの領域でエネルギー需要が特に高いことと関連する可能性がある。





In line with a high metabolic rate of PVIs, these neurons (and transcription of PV itself) are especially vulnerable to stimuli that compromise mitochondrial function.
PVIニューロン (そしてPVそれ自体の転写) がミトコンドリアの機能を損なうような刺激に対して特に脆弱であることは、PVIの物質代謝の速度が高いことと一致している。

For example, PVIs in the striatum are sensitive to 6-hydroxydopamine (Salin et al., 2009), quinolinic acid (Giampà et al., 2006), rotenone (Lapointe et al., 2004), and methamphetamine (Zhu et al., 2006) and developmental injections of 3-nitropropionic acid (3-NP) cause a long-term loss of PV protein (Gibson and Clowry, 2003).
例えば、線条体のPVIは、6-ヒドロキシドーパミン、キノリン酸、ロテノン、メタンフェタミン、そして発達途上の3-ニトロプロピオン酸の注入に敏感であり、これらの薬剤はPVタンパク質を長期間にわたって喪失させる。

6-hydroxydopamine: 6-ヒドロキシドーパミン。自動酸化によりスーパーオキシドを産生する神経毒

quinolinic acid: キノリン酸。トリプトファンが代謝されたもの。NMDARのアゴニストで、NMDARが多い皮質、海馬、線条体に対して毒性がある。酸化鉄 (II) とも相互作用し、ヒドロキシラジカル (OH・) を誘導して脂質過酸化を引き起こす。研究ではラットの右線条体にキノリン酸を投与し、リン酸化CREBを免疫染色した (Giampà et al., 2006)

※rotenone: ロテノン。複合体Iを阻害する

methamphetamine: メタンフェタミン。複合体IIを阻害する。カテコールアミンの遊離を促進しドーパミンの再取り込みを抑制するが、チロシンヒドロキシラーゼとトリプトファンヒドロキシラーゼの活性を阻害し、ドーパミンとセロトニンを欠乏させる (Zhu et al., 2006)。連用すると統合失調症様の症状を引き起こす

3-nitropropionic acid (3-NP): 3-ニトロプロピオン酸。複合体IIを阻害する。研究では、出生前後の虚血によると考えられている脳室周囲白質軟化症 (periventricular leukomalacia) のマウスモデルと、3-NPの投与による脳の白質の減少とを比較した (Gibson and Clowry, 2003)

Of particular interest is the vulnerability of cortical, hippocampal, and striatal PVIs to perinatal anoxia/hypoxia (Dell’Anna et al., 1996; Van de Berg et al., 2003; Gerstein et al., 2005; Wang et al., 2011) and global ischemia (Guan et al., 2000; Meade et al., 2000), considering that perinatal complications and/or hypoxia could be significant environmental factors contributing to the development of schizophrenia.
出生前後の合併症と低酸素のどちらか、または両方が統合失調症の発症に寄与する重要な環境的要因である可能性を考慮すると、皮質と海馬そして線条体のPVIが、出生前後の酸素欠乏/低酸素/脳虚血に対して脆弱であるということは特に興味深い。

※vulnerability of hippocampal PVIs to perinatal hypoxia: 実験では生後10日のラットを17分だけ低酸素の状態にして、てんかん感受性をシミュレートした。海馬のニューロンに喪失は見られなかったが、GADとPVは生後11から13日まで一時的に免疫反応性が増加したのち、それ以降は減少した (Wang et al., 2011)
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by travelair4000ext | 2013-10-23 15:02 | 翻訳  

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