社会的孤立と精神病13

The neuroprotective effect of endogenous PGC-1α has been explored in multiple different studies.
内因性PGC-1αの神経保護的な機能が様々な研究で調べられている。




Mice lacking PGC-1α are more sensitive to neurodegeneration induced by 1-methyl-4-phenyl-1, 2, 3, 6-tetrahydropyridine (MPTP) and kainic acid, and this degeneration was associated with greater levels of stable markers of oxidative damage, such as nitrotyrosylation of proteins and 8-OH-dG in DNA.
PGC-1αを欠くマウスは、1-メチル-4-フェニル-1,2,5,6-テトラヒドロピリジン (MPTP) とカイニン酸による神経変性を起こしやすい。
この変性は、酸化的ダメージの安定したマーカーであるタンパク質のニトロチロシン化、ならびにDNAの8-ヒドロキシデオキシグアノシン (8-OH-dG) の濃度の増大と関連した。

1-methyl-4-phenyl-1, 2, 3, 6-tetrahydropyridine (MPTP): 1-メチル-4-フェニル-1,2,5,6-テトラヒドロピリジン。MPTPは脳内でMAO-BによってMPP+ (1-メチル-4-フェニルピリジニウム) に変換され、MPP+はミトコンドリアの酸化的リン酸化を阻害する。
PGC-1αをノックアウトしたマウスへのMPTPの投与は、黒質のチロシンヒドロキシラーゼ陽性ドーパミン作動性ニューロンを61%減少させ (野生型では12%)、黒質では著しいニトロチロシン化が見られた (St-Pierre et al., 2006)

nitrotyrosine: 3-ニトロチロシン。一酸化窒素 (NO・) とスーパーオキシド (O2-) から生じるペルオキソ亜硝酸 (ONOO⁻) が、タンパク質のチロシン残基をニトロ化 (nitration; ニトロ基NO2の付加) して生成される

※kainic acid: カイニン酸。グルタミン酸受容体 (AMPA型受容体とカイニン酸受容体) を活性化し、神経細胞を過剰に興奮させる神経毒

Elevation of PGC-1α levels above those of wild-type nerve cells give an increased resistance to death by the oxidative stressors hydrogen peroxide (H₂O₂) and paraquat (St-Pierre et al., 2006), and overexpression of PGC-1α in culture increases mitochondrial density and ATP levels (Wareski et al., 2009), drives the expression of transcripts involved in antioxidant defense, glucose transport, and mitochondrial fusion and protects cells from hydrogen peroxide-induced cell death and caspase-3 activation (Cowell et al., 2009).
野生型の神経細胞を上回るPGC-1α濃度の上昇は、酸化ストレス要因の過酸化水素 (H2O2) とパラコートによる細胞死への抵抗性を上げる (St-Pierre et al., 2006)。
培養細胞でのPGC-1αの過剰発現はミトコンドリアとATPの濃度を増加させ、酸化ストレス防御とグルコース輸送ならびにミトコンドリア融合に関与する転写の発現を促進し、そして過酸化水素による細胞死とカスパーゼ-3の活性化から細胞を守る。

mitochondrial fusion/fission: ミトコンドリアの融合/分裂。ミトコンドリアは常に融合と分裂を繰り返しているが、ミトコンドリアの膜電位が消失するとOPA1分子が切断され、融合する能力が低下する。ミトコンドリアの融合に関与するタンパク質の過剰発現は細胞のアポトーシスを抑制する

※involved in antioxidant defense, glucose transport, fatty acid oxidation, and mitochondrial fusion: SH-SY5Y神経芽細胞腫細胞でのPGC-1α過剰発現により、MnSOD、GLUT4、CPT-1α、Mitofusin 2の発現が特に上昇した
HDAC阻害剤バルプロ酸 (HDAC1を阻害) またはトリコスタチンA (HDAC1, 3, 4, 6, 10を阻害) の投与でPGC-1αの発現はさらに上昇し、GLUT4の発現も増大した (Cowell et al., 2009)




In the context of NMDAR activation (Hardingham and Bading, 2010), knock-down of endogenous PGC-1α mediated by siRNA increases extrasynaptic NMDAR(EX) activity and vulnerability to excitotoxic insults in rat cortical neurons, while exogenous expression of PGC-1α cDNA results in a neuroprotective reduction of extrasynaptic currents without affecting synaptic NMDAR activity (Puddifoot et al., 2012).
NMDAR活性化との関係では、ラットの皮質ニューロンにおいてsiRNAによる内因性PGC-1αのノックダウンはシナプス外NMDAR (EX) の活性を上昇し、興奮毒性による攻撃に対して脆弱にする。
一方、cDNAによるPGC-1αの外因性発現は、シナプス内NMDARの活性に影響することなくシナプス外NMDARからの流入が減少して、神経を保護する結果になる。

※siRNA (small interfering RNA): 低分子干渉性RNA。細胞内に導入された二本鎖RNAから作られ、RISCという複合体を形成してsiRNAと相補的なRNAを切断して阻害する

※cDNA (complementary DNA): 相補的DNA。逆転写酵素によりmRNAから合成した相補的DNA。プラスミドなどでcDNAを細胞内に導入することにより目的の遺伝子を発現させる

※knock-down: ノックダウン。遺伝子を破壊するノックアウトとは異なり、ノックダウンは遺伝子の転写や翻訳を減少させる

excitotoxicity: 興奮毒性。通常、シナプス間隙のグルタミン酸の上昇は1mMまででその後は急速に低下するが、脊髄損傷や虚血後に生じる過剰なグルタミン酸は、急激なカルシウム流入によるカルパインの活性化、ミトコンドリアmPTPの開口、シナプス外NMDAR経路によるアポトーシスを引き起こす

※extrasynaptic NMDAR(EX): シナプス外のNMDA受容体。シナプス内のNMDARは細胞の生存につながり、シナプス外のNMDARは細胞をアポトーシスさせる (Hardingham and Bading, 2010)


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by travelair4000ext | 2013-11-06 16:26 | 翻訳  

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