自己免疫疾患の原因12

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3225699/

Epigenetic modifications enhance immunogenicity and auto-antibody production.
エピジェネティックな修飾は、免疫原性と自己抗体産生を促進する




The aforementioned components of the nucleosome are a major antigen source in SLE and other autoimmune diseases.
前述したヌクレオソームの構成要素は、SLEと他の自己免疫疾患における主要な抗原の源である。

Years prior to the development of clinical symptoms, SLE patients exhibit antinuclear antibodies and antibodies against extractable nuclear antigens [54].
臨床的な症状が出る数年前に、SLE患者は抗核抗体と、抽出核抗原 (ENA) に対する抗体を示す。

※[54] では、抗核抗体は78パーセント、抗二本鎖DNA抗体は55パーセントの患者で見られた

Nucleosomes and histones as well as both single- and double-stranded DNA are detected in the serum of SLE patients and lupus-prone mice [55].
SLE患者とループス自然発症マウスの血清では、ヌクレオソームとヒストン、そして一本鎖DNAと二本鎖DNAの両方が検出される。

The presence of these intra-cellular components in the circulation has been explained by aberrant apoptosis and/or reduced clearance of apoptotic cells [19, 56].
これらの細胞内の成分が血液中に存在する理由は、アポトーシスの異常か、またはアポトーシス細胞の除去が低下しているかのどちらか、もしくはその両方が同時に起きていると説明されてきた。

SLE-specific auto-antigens were also detected in surface-blebs of late apoptotic cells [19].
SLEに特有の自己抗体は、後期アポトーシス細胞表面のブレッブでも検出される。

※bleb: ブレッブ。泡状突起 (ほうじょうとっき)。アポトーシス細胞の表面に多く現れる突起 (protrusion)。[57] には、「SLEで標的にされる自己抗原は、後期アポトーシス細胞表面のブレッブに固まっている」とある。
[57] が参照する [13] のタイトルは、「ヌクレオソームはアポトーシスした細胞表面に露出する」

Similarly, rheumatoid factor and anti-citrullinated antibodies precede the appearance of clinical rheumatoid arthritis by several years [12].
同様に、リウマトイド因子と抗シトルリン化ペプチド抗体は、臨床的な関節リウマチの出現に数年先立つ。






Thus, several authors have suggested that the hypomethylated state and de-methylated DNA fragments in the serum of SLE patients can mimic microbial DNA and induce the production of anti-DNA-antibodies that play a role in the pathophysiology of SLE [4, 19].
このように、メチル化が低下した状態、ならびにSLE患者の血清に見られる脱メチル化されたDNA断片は、微生物のDNAを擬態して抗DNA抗体の産生を引き起こす可能性があり、それがSLEの病態生理学において一定の役割を演じ得ると数人の著者が示唆している。

Furthermore, mice deficient in factors required for the clearance of apoptotic cells, such as DNAse 1, serum amyloid P / C-reactive protein, C1q, IgM, and the Mer receptor kinase, develop anti-nucleosome antibodies and glomerulonephritis [19, 55].
さらに、アポトーシス細胞の除去に必要な要素、例えばDNアーゼ1、血清アミロイドP / C反応性タンパク質、補体C1q、IgM抗体、Mer受容体キナーゼを欠損したマウスは抗ヌクレアソーム抗体を生じ、糸球体腎炎を発症する。[55]

※DNAse 1: DNアーゼ1。DNAse (デオキシリボヌクレアーゼ) はDNAを加水分解する

※serum amyloid P (SAP): 血清アミロイドP。後期アポトーシス細胞に結合して、マクロファージによる貪食を亢進する

※C-reactive protein (CRP): C反応性タンパク質。炎症や組織の壊死で増加する。作用は補体の活性化、好中球による貪食の亢進など

※C1q: 補体C1q。C1qが欠損するとSLE様の症状が現れる

※Mer receptor kinase: Mer受容体キナーゼ。アポトーシスした細胞表面に現れるホスファチジルセリンにはGas6が結合し、それを認識したMer受容体が
キナーゼドメインを介して抑制シグナルを送る。[55]

※アポトーシス細胞の処理に失敗すると、二次的な細胞壊死 (secondary necrosis) に陥り、炎症を引き起こす [59]




Lupus-derived autoantibodies strongly react with histones modified during apoptosis [19].
ループス患者に由来する自己抗体は、アポトーシスの間に修飾されたヒストンと強く反応する。

These apoptosis-induced histone modifications include histone acetylation, de-ubiquitination of H2A, transglutamation of H2B, and phosphorylation of H2A, H2A.X, H2B, and H3 [57, 58].
アポトーシスにより引き起こされるこれらのヒストン修飾には、ヒストンのアセチル化、ヒストンH2Aの脱ユビキチン化、H2Bのトランスグルタミネーション、H2A・H2A.X・H3のリン酸化が含まれる。

※transglutamation: transglutamination の間違いか。[57] にはtransglutaminationとなっていて、trends in molecular medicineのpdfでもtransglutaminationになっている。トランスグルタミネーションはトランスグルタミナーゼによる修飾



※H2A.X (H2A histone family, member X): H2Aヒストンファミリー・メンバーXは、ヒストンH2Aと入れ替わるバリアント。放射線やアポトーシスによるDNA鎖の切断によりセリン残基139位がPI3KファミリーのATMキナーゼでリン酸化され、DNA修復タンパク質をリクルートしやすくなる



Because peptides that carry apoptosis-induced acetylation motifs can accelerate both disease onset and severity in lupus-prone mice, it appears possible that apoptosis-induced chromatin changes can disrupt immune tolerance and result in autoimmune diseases [4, 19, 57].
アポトーシスでアセチル化するモチーフを含むペプチドは、ループス自然発症マウスにおいて疾患の発症と重症度を加速する。
したがって、アポトーシスによるクロマチンの変化は免疫の寛容を妨害し、結果として自己免疫疾患を発症させることが可能なようである。

※accelerate: [57] には、「ループス自然発症マウスにトリ-アセチル化したH4ペプチドをループスが発症する前に投与すると、死亡率が上がり、タンパク尿などの症状が悪化した。骨髄由来の樹状細胞を過剰にアセチル化したヌクレオソームと共に培養すると、通常のヌクレオソームと共に培養したのと比較して、補助刺激分子とその受容体のCD40とCD86、そしてIL-6とTNF-αの発現と産生が増加した」とある

More than 200 non-histone proteins have also been identified as HDAC substrates.
200以上のヒストン以外のタンパク質も、HDAC酵素の基質として同定されている。

Given the results discussed above, some of these proteins are likely targets in SLE and other autoimmune diseases [28].
これまで考察してきた結果を考えれば、これらのタンパク質のいくつかは脱アセチル化され、SLEと他の自己免疫疾患で標的になりそうだ。



These findings suggest that the presence of extracellular demethylated DNA and specific histone modifications, particularly those associated with apoptosis, play a central role in the pathogenesis of SLE and other autoimmune diseases (Box 2).
これらの知見は、細胞外の脱メチル化したDNAならびに特有のヒストン修飾 (特にアポトーシスに関する修飾) が、SLEと他の自己免疫疾患の病理発生において中心的な役割を演じることを示唆する (Box 2/囲み記事2)。

Because a number of the aforementioned modifications to CpG-DNA sequences, histones or other nuclear proteins are disease specific, they may prove useful as disease biomarkers [41, 59].
前述した多くのCpG-DNA配列やヒストンの修飾、または核タンパク質への修飾は疾患に特有なので、それらは疾患のバイオマーカーとして有用であることが後に判明するだろう。[41] [59]
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by travelair4000ext | 2013-12-25 18:12 | 翻訳  

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