不安定なDNA 09

まとめ

線維筋痛症について、検索した内容などをまとめておこうと思います。




・メチル化
今回の研究で、線維筋痛症では多くのCpG島/海岸がメチル化している可能性が示されました。
メチル化には、食生活によるメチル基の供与や、メチオニンとシステインの代謝も関係しています。

線維筋痛症患者の脳由来神経因子 (BDNF) は、健常者とは異なるメチル化の状態になっていることが今回の研究で示されました。
BDNFはメチル化の他に、遺伝子の多型やマイクロRNAによる調節を受けていることが知られています。



・ストレス
ストレスによる糖質コルチコイドの分泌の過剰/不足は、DNAのメチル化に影響します。

感染症、事故、幼児期の虐待、早産児の検査などが、ストレス因子として影響する可能性があります。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22110940

海外では研究を元に、このような記事が書かれています。
http://chronicfatigue.about.com/b/2009/01/14/

>Premature Birth May Raise Fibromyalgia Risk
(早産は線維筋痛症のリスクを上げるかもしれない)



・中枢感作と下行性疼痛抑制系 (descending pain inhibitory system)
延髄から脊髄にかけて、疼痛を抑制する下行性の投射神経が存在します。
ストレスによる糖質コルチコイドは脳内の一部でドーパミン/ノルアドレナリンを低下させますが、それと何か関係があるのかもしれません。
http://first.lifesciencedb.jp/archives/6492



・ミトコンドリアの機能低下
ビタミンB1やコエンザイムQ10で改善するという研究があります。



・PGC-1αの機能低下
線維筋痛症の患者では、慢性疲労症候群の患者とは異なりPGC-1αが低下しています。
http://chronicfatigue.about.com/b/2013/04/26/

これは線維筋痛症が運動で改善する理由かもしれません。寒冷/絶食/運動は、PGC-1αの発現を促進します。

今回の研究で線維筋痛症とHDAC4の異常なメチル化との関連が示されましたが、HDACとMEFとPGC-1αは相互に関係しています。



・運動との関連
線維筋痛症は運動によって改善することが示されていますが、それは運動がWntやBDNF、PGC-1αなどにより神経新生を促進することと関係しているのかもしれません。
http://first.lifesciencedb.jp/archives/6608
http://www.nutritio.net/linkdediet/news/42004
http://www.nutritio.net/linkdediet/news/43943



・活性酸素と頭痛の関連
線維筋痛症の患者では、酸化ストレスを除去する酵素のレベルが低下していて、それに伴って頭痛が悪化したり脂質過酸化が亢進しています。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22532869

今回の研究で、線維筋痛症の患者でのSOD3のメチル化の異常が示されました。



・女性ホルモン
女性ホルモンのエストラジオールは、マイクロRNAを介して脳内でBDNF、糖質コルチコイドの受容体、SIRT1の発現を変化させることがラットの実験で示されています。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23720423



・強直性脊椎炎と間違われやすい
診断がつきにくい場合が多いようです。強直性脊椎炎は男性に多い病気で、線維筋痛症が女性に多いのとは対照的です。






ということで繊維筋痛症について色々と調べてみましたが、今回のメチル化との関連が一番納得できたように思います。
もちろん今回の研究結果は試験的なものということで、いずれまったく違う結果が導き出されるかもしれません。
これからの研究の伸展に期待したいと思います。
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by travelair4000ext | 2014-03-11 22:11 | 翻訳  

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